![へシティデザイン]()
バクティアリとファールス地域の
代表的で特徴的なデザイン。
ホーズギャッベ
中央にメダリオンのひし形を配置し、
周りに花柄をあしらったデザイン。
ゴルギャッベ
ローズや花々をデフォルメしてメイングラウンドに
そしてボーダーにも意匠を取り入れたデザイン。
部族デザイン
自然風景の中のひし形、円、正方形、
長方形などのデザイン。またその
図形の中に模様や柄を挿入するデザイン。
木のデザイン
ギャッベデザインの歴史の中で最古の
デザインとされている木のデザイン。
木は単体の表現が多く、樹々としての連立
した表現は少ない。所謂生命の木の源です。
現代の木のデザインでは樹々と
しての作品も見受けられます。
いずれも写実的な木のデザイン
ではなく抽象的で独創的です。
現代は写実的な木の作品も見受けられます。
木の種類により籠められる意味合いが異なり
例えばモミの木は歓喜。柳は憂いを表します。
ストライプ
縦のストライプ、横のストライプとも、
とても古い伝統のデザイン。
パズル
ランダムな正方形、長方形を組み合わせたデザイン。
規則正しく市松模様の図形柄も伝統デザイン。
世界の発祥や人生を表現しているようです。
シンプル
特に意匠なしの一色または同系色の
グラデーションデザイン。
古代の基本となるギャッベは、
全て羊毛の元色を使用して白、黒、グレー、
茶のギャッベが織られていました。
本来は染めないギャッベが伝統で
あり基本となるギャッベです。
現代のカラーギャッベは近代の
意匠の中の創意によるものです。
いずれのデザインも近代や現代アートや
各国の文様の源となっているものが多く
イスラムデザインはペルシャの唐草デザインを
皮切りに幾何学やペイズリー等など、
ペルシャ発祥のデザインがとても多く、
無名のデザイナーに輩出されています。
ギャッベの生産地
古来よりの主要ギャッベ生産地。(名称の列挙のみ)
ファールス県
カシュガイ、ハムセ、ママサニ、バクティアル
ハムセ種
バーハル、ナファル、アラブ、イナル、バーセル
ママサニ4種
ベコシュ、ロスタム、ドシュマンジアリ、ジャーヴィド
ギャッベの生産地の特徴
・カシュガイ
![カシュガイ��]()
最も古くからギャッベの生産をしていたカシュガイ族は、
技術の高さと同時に優れた感性と創造力のイメージを
繊細に表現する事に長けていた。それは現代にも引き継がれています。
・カシュガイ部族の織りの種類
キャシュクリ
シェーシュブルーキ
ダレシューリ
ファルシーモダン
アマレカシュガイ
・アマレギャッベのグリーンの色は古来より評価が高く
中央にメダリオンを意匠するのが特徴。
キャシュクリ部族のギャッベ
キャシュリ部族は絶え間なく天候その他の諸事情で
常に大移動をして生活営んでいました。
キャシュクリは所謂ペルシャ絨毯文様を取り入れた格別に美しい
ギャッベと現代でも高い評価を得ています。
ひと昔前はアマレギャッベはキャシュクリに次いで人気
だったようですが、現代では交代している感があります。
カシュガイ部族はバクティアリ部族の近くで生活する事が多かった為、
相互に融合し合い、婚姻関係や
文化の融合が新しい感性のギャッベの創造に繋がりました。
古くから文化の融合の多経験からギャッベにもそれらが反映して
おり、ギャッベの中では想像的な絵柄ではなく一般的な
ペルシャ絨毯の柄を彼らのテイストで表現した作風です。
ファールスギャッベのデザイン
ファールスギャッベもまた、湧き上がるイメージを即興で織る事に
長けた部族であり無名の織り手は才能溢れるアーティストでした。
古くからのソフレキリムの文様などにも影響を受けていたとの事ですが、
それらを完璧にオリジナル化して美の開花をさせてきました。
ライオンのデザインは有史以前から、イランのシンボル
としての重要な意味を含むデザインでした。
例を挙げると、エジプト国家がイランを紹介する際は、
ライオンの紋章を掲げながら執り行われたと言われているほどです。
鋭敏で強靭さを国章としてイランの権威を表現していました。
ササン朝時代には一般国民のお守りとして、
太陽を守る守護神として、様々な場面での旗印になりました。
その後、イランの全ての部族がオリジナルのライオンギャッベを織る事になります。
へシティデザインについて
ランダムな市松模様、またはチェス柄の四角は正方形では無く、
縦長の長方形を均一に並べたもの又はランダムに表現したデザイン。
四角形の中には、花、生命の木、鳥、水場、窓、動物、幾何学柄、
星などの他、部族の祈りや願いの文様が織られています。
その昔はへシティも柄なしのチェス柄を元色のみで
織っていたようです。
ホーズギャッベ
ひし形を中央に置きそのひし形は池を表現している。
カシュガイとキャシュクリ織りが主。
ギャッベの色
ギャッベを染めて色付けをし始めたのがいつ頃であるか定かではないようですが、
恐らく中世に入ってからの事と察する事が自然のようです。
但し、草木染の歴史はとても古く、発祥は中東ペルシャとしても過言ではない
程に多才なペルシャ人が草木染めを考案した事は想像に難くないとされています。
ペルシャを中心に、アラブ、ギリシャやローマ、
東洋では中国へと広まったとの諸説です。
草木染はほとんどの文明で貴族の特権として、そして権威を象徴するものでした。
それは当時の草木から染料を抽出する技術と染色技術は難易で
手間も必要とされていたからです。
以上の理由から
庶民の使用する一般的なギャッベの草木染での制作には
相当な時間が必要だったと想像されます。
ギャッベの世界で色を使い始め、時の流れの中で培われた
各部族の色の組み合わせや色彩感覚は、
所謂ペルシャの、ギャッベ以外の多様な絨毯とは
別格の色彩のバランス感覚を持ち合わせているセンスが
アート的であり、現代になり高く評価される事になりました。
そしてそれらは現代においても手作業による草木染め
である事が更にファンの心を魅了してやみません。
しかし、現代においても、染めていないナチュラルギャッベの人気は高く、
ナチュラル志向のファンに支持されています。
特に堅牢さと染の糸と違い、経年の日焼けがないなどが人気の秘密です。
ペルシャ羊の元色を生かし制作される敷物は、
ペルシャ絨毯の中ではギャッベのみとなります。
染色が盛んになるとそれぞれの部族の得意とする色が意匠と共に
際立ってきました。特にファールスギャッベの特徴は赤のギャッベを
メインに生産する事が古くからの特徴となりました。
赤の種類の豊富さは限りなく、ロナスなどの染料をもとに様々な色の
掛け合わせで淡い赤から深い赤まで数多い赤が創造されました。
ギャッベの色彩の意味。
青 空の無限の雄大さ。
緑 草原・豊穣・祝福。
黄 金・国への愛・ギャッベを大切な人に贈る時の色。
白 生命の誕生・新生児を祝う。
染料の材料について
黄 エスパルク
オレンジ ジンジャー
緑 ギャンドル・ターメリック・ロナス
青 ニール・樹液
赤 ロナス
ファールス県で使用する独特な材料
茶 クルミの皮
ギャッベの材料
古来より羊毛のパイルに綿(縦糸)を使用して織るのはギャッベの
古くからの伝統織りです。とても堅牢になり山羊の
毛を混紡すると更に堅牢になります。
重量感が増し、縦糸が綿の場合頑丈になり制作途中や
経年の為、切れてしまう事が少ない為、
寝具や壁面に使用するギャッベには重宝されました。
一方でカシュガイのギャッベは良質のウールのみを縦横共に使用していました。
特筆するべきバクティアリギャッベについて
どちらのギャッベも織りは至って単純な織りで制作されますが、
バクティアリ部族のギャッベは織りがとても美しいとの定評があります。
織り方は同様であるものの、糸の紡ぎ方や目の詰み方で
外観の印象が一変する事は容易に想像できます。
特にバクティアリのへシティデザインが人気で、
美しさの特性が高くオリジナルの感性を持っているようです。
過去に傑出した素晴らしい作品を多数生み出し現在も優れた作品を制作しています。
現存する180年前のバクティアリのへシティギャッベのデザインは、
美しく繊細でモダンでシンプル、尚且つカラフルな色彩がバランスよく絶妙で、
観るものを驚嘆させるとの事です。
しかしバクティアルの優れた創造力により制作された作品のアンティークや
オールドの存在は殆どなくなっているのが現状のようです。
バクティアリ部族はイランの中でも数千年の歴史を持つ古い部族です。
数千年の移動生活の中で、アレクサンダーとモンゴルの侵略を受けますが、
彼等独自の文化や芸術を破壊される事はなく、現代に受け継がれています。
前記した通り、ギャッベは敷物の中で最も毛足が長い事が大きな特徴の一つですが、
特にファールスとバクティアリのギャッベは最も長パイルで織られていました。
古くバクティアリギャッベは縦糸横糸がウールでしたが、
現代では堅牢さを重視して縦糸は綿を使用しているようです。
縦糸を綿にする事で、繊細な外観を保ちながら同時に堅牢さを
合わせ持つ事ができます。
バクティアリはトルコ結びで制作されますが、
このトルコとはタブリーズの意味でありイランの隣国のトルコとは異なります。
引き続き、ギャッベラインのギャッベ歴史物語は
追記という形で継続していきます。